なぜ、この蝶なのか?

旅する蝶アサギマダラ

2000km以上も旅をすること(アジアの風)

アサギマダラは旅をする蝶です。30 年以上にもわたる調査の結果、春は南から北へ、秋には北から南へ旅をすることがわかってきました。(一匹の蝶が南北へ移動するのではなく北上した蝶の子孫が南下します。)海をこえて2000km 以上もの距離を移動することがわかっています。日本を旅立った蝶が、台湾や香港でも確認されています。

2000km以上も旅をすること(アジアの風)

遺伝子の多様性にも配慮(=日本中に自分で移動できる)

野生生物は、同じ種類であっても、いく先々で、その地域に適応して進化しています。つまり自力で移動できない場所にその生き物を「放す」のはあまりよくありません。 これまでの調査で、アサギマダラは、2000km 以上もの距離を旅することがわかっています。ほぼ日本全土に自力で移動できるので、日本全国で放すことができると考えました。

幼虫はとびきり奇抜で、サナギは宝石みたいで、成虫は美しく大きいこと

幼虫はとびきり奇抜な姿形をしています。黄色と黒のしましまで、ツノが4本あります。この「気持ち悪っ!」とも思える幼虫から、サナギは綺麗な黄緑色になり、シルバーのキラキラした金属光沢の模様が出てきます。そして、成虫はとびきり美しく大きい蝶になります。空のような半透明のあさぎ色(ごく薄い藍色)の美しい羽をしているのです。このすべてに驚きます!蝶絶体験なのです!

鱗粉(りんぷん)がつかないこと

通常、蝶の成虫を捕まえると粉がつきます。羽にある鱗粉(りんぷん)がついてしまうのです。ですが、アサギマダラは、鱗粉がつくことがありません。

おちついて観察できること

冬から春にかけて飼育するので、おちついて観察やスケッチ、撮影ができます。 (自然界でも、本州では冬から春にかけて幼虫で過ごします。)

都会の高層ビルでも飼育できる!

飼育中、音やにおいがほとんどなく、テーブルの上で育てることができます。また、成虫になるまでのエサもセットになっているので、植物をとりにいく必要もありません。

放すことがゴール

通常、生き物の飼育は、その生き物が亡くなるまで飼うのが普通ですが、このキットは、羽化した成虫を放す(空へかえす)事がゴールです。 空へかえした時から、自然とつながり、それからずっと、春にこの蝶が南からやってきて、秋に上空を通って南へ帰っていくことに思いを馳せながら、豊かに暮らしていただけると幸いです。

ソーシャルビジネス(社会的課題をビジネスの手法で解決していく活動)

「株式会社 空から蝶」の目的は、「蝶で人と自然の調和した世界をつくる」ことです。現在、地球上からいろいろな野生生物が減ってきています。これに対し、生態系のピラミッドを支える一番下の部分、有用な野生植物から順に増やしていかなければと考えています。(ここでいう「有用な」とは、教育に役立つ・窒素固定・食糧・薬・美しい・たくさんの種類の動物のエサとなる・・・などできるだけ多くの機能を兼ねる植物をさします。) つまり、事業の目的は人と自然をつなげながら植物を増やすことです。

開発者の思い

自然環境調査を長年経験してから、もっと人と自然をつなぎたくて、これを開発しました。それから5年が経ち、やはり、この蝶しかなかった!と思っています。

この蝶を育てて空にかえす経験をした方は、自然を美しいと感じ、共に生きている喜びを感じてくれるものと信じています。

毎年改良を重ね、より高い確率で、アサギマダラの羽化する様子を観察していただけるようになったと思います。 どうぞ、体験してください!

株式会社 空から蝶
代表取締役・蝶使い 道端慶太郎

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